医療法人財団 健和会 柳原リハビリテーション病院

お知らせ・イベント情報

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連続講座『認知症』第5回目を開催しました
第5回は、指示が入り難い1事例について症状の捉え方、対応の仕方を学びました。
今回の事例では、大きく2つのことを江藤先生からアドバイスいただきました。

【80歳代、女性 左大腿骨頚部骨折(術後)】
指示が入りづらく摂食にムラがあったが、病棟生活に慣れ、生活リズムがついて自己摂取可能に……どのような働きかけが良かったのかを振り返る

●一つ目は、認知症の典型的な経過を辿った一例……認知症が進行して1人暮らしができなくなって転居して、安心したところで転倒骨折、入院加療(手術)により一時的に「せん妄状態」になる(うまく対処できれば軽快する)。

●二つ目は、十分覚醒していない、気分の変調が多いなかで、事例が了解できる或いは混乱しない範囲で課題を調性しながら回復させることができた事例……なんと、お褒めの言葉です!

また、プログラム上留意すべき幾つかの点(原則)についても触れらました。
・疼痛(3−4週)による拒否も出やすいので昼間は起こしてトイレへと行く(ポータブルトイレには抵抗?)といった最低限のことでよくて、歩行やトイレ、食事、整容が基本!
・休息はいい対応です。睡眠が不足していれば睡剤(マイナー)も、昼寝も場合によっては必要。
・いやがらない・楽しめることであれば課題としてはOK(手引き歩行、屋外散策、手工芸、家事)、PTの運動量も適切だったのでしょう。
・絵カードとか分かりやすい手段を使ったら指示は入りやすかったか(意外と了解が良かった人かも)
・術後の嚥下障害もよくみられるから評価があるとよい(食形態の選択)
・転居しないでいられる方法はなかったか? 


講師 江藤文夫医師
リハビリテーション科専門医
日本リハビリテーション医学会 元理事長
国立障害者リハビリテーションセンター 前総長
柳原リハビリテーション病院 非常勤医師